シナリオ一覧
実際の値動きを題材にしたケース集。被写体や要因カテゴリで絞り込めます。
51 件のシナリオ
Super Micro 2024–2025:空売り報告・監査人辞任・上場廃止危機からの生還
AIサーバーの寵児SMCIが、Hindenburgの会計疑惑指摘→10-K提出遅延→監査法人EYの辞任→Nasdaq上場廃止の瀬戸際→Nasdaq-100除外と急落。主役は決算でも金利でもなく『ガバナンス/会計の質』という内部の構造リスク。期限内に財務を提出し上場廃止は回避したが、その後も決算・マージンを巡るボラは続いた。AIテーマの強さだけでは守れないものを学ぶ敗者ケース。
UnitedHealth 2025:ディフェンシブの王者が60%下落した『コスト・規制ショック』
「ディフェンシブの王者」とされた医療保険最大手UNHが、メディケア(高齢者向け)の医療費急騰でMLR(医療費率)が悪化し約15年ぶりの予想未達→通期ガイダンス停止→CEO電撃交代→メディケア請求慣行をめぐるDOJ刑事・民事捜査が重なり、高値から約60%下落。主役は内部のコスト構造(company)と規制リスク。『ディフェンシブでも確率的に急落する』ことを学ぶ敗者ケース。
Tesla 2025:Musk政治化のブランド毀損と販売減で高値から半減
2024年末にトランプ再選期待で史上最高値を付けたTeslaは、CEOマスクのDOGE就任と欧州での政治活動でブランドが毀損。欧州販売の急減・Q1納車-13%・自動車売上-20%とファンダも悪化し、3月10日には1日-15%(2020年以来最悪)、12月高値からピーク比50%超下落した。主役は『CEOリスク』という心理・センチメントと、それが現実化した内部ファンダ(販売)。NVDAやTSLA 2020のような勝者の真逆——フレームワークが下を示す敗者ケース。
Novo Nordisk 2025–2026:CagriSema失望と『肥満症薬の王座』明け渡しで半減
肥満症薬の王者Novoは、次世代CagriSemaがフェーズ3で『期待の25%減量』に届かず、最後はライバルLillyのtirzepatideに有効性で直接敗北。米国Wegovy減速で通期ガイダンスを下方修正しCEOも交代。ヘルスケアセクター(XLV)がほぼ横ばいの中、株価は高値から約66%下落した『読みが外れた敗者』のケース。
Micron 2025–2026:HBM完売とDRAM供給逼迫『メモリ・スーパーサイクル』を3軸で分解
AI向け高帯域メモリ(HBM)とDRAMの供給逼迫で、Micronの株価は約1年半で10倍近くへ。主役は『需給』——AIデータセンターが高性能メモリを奪い合い、価格が四半期ごとに二桁%上昇する『メモリ・スーパーサイクル』が、シクリカル株を構造需要で再評価させた。だが好決算が出ても出尽くしで下落する場面、関税ショックで半値近くまで叩かれる場面もあり、上昇は一直線ではなかった。
Lululemon 2025:関税と米国需要の失速で年初来60%下落(敗者ケース)
高級アスレジャーの成長株LULUは、米国(北米)既存店売上のマイナス転落という『内部の需要鈍化』に、トランプ関税による粗利圧迫という『外部マクロ』が重なり、2025年に3度の決算ガイダンス下方修正で年初来約60%下落した。S&P500が同期間に+30%超だったなか、内部ファンダ主導で1社だけ崩れた敗者ケース。
AMD 2025 OpenAIメガ提携 — MI450でNVIDIAに挑む挑戦者の急騰
AIアクセラレータでNVIDIAに大きく出遅れていたAMDが、2025年10月のOpenAIとの6GW供給+ワラント提携で『第2の供給源』として一気に再評価され急騰。外部の超大型受注(OpenAI需要)が、まだ追いついていない内部ファンダへの期待を先に押し上げた点が主役。期間中の株価は約140ドルから約520ドルへ。
Adobe 2025–2026:決算ビートでも売られる — AI破壊懸念のディレーティング
クリエイティブSaaSの代表ADBEは四半期ごとに売上が二桁成長し決算予想も上回り続けたのに、株価は1年強で約4割下落しS&P500に大きく劣後した。値動きの主因は『業績』ではなく、生成AIネイティブ競合(Canva・Figma等)が中核製品を侵食するという構造的破壊懸念によるマルチプルの継続ディレーティング(外部・業界要因)。『決算ビート=買い』という読みが繰り返し外れる教材。
MP Materials 2025 — 国防総省の資本参加とレアアース安全保障
2025年、米国唯一のレアアース鉱山MPは、中国の輸出規制で露呈した供給網の脆弱性を背景に、7月の国防総省による4億ドル出資(筆頭株主・15%)とNdPrの10年価格フロア(110ドル/kg)、続くAppleの5億ドル提携で株価が一変。年初来は7月に約+255%、10月のピークで約+500%まで急騰した。主役は決算ではなく『政府の産業政策が個別株の損益分岐を作り替えた』地政学・需給の物語。
中国ADR 2025:DeepSeekショックと中国テックの再評価ラリー(KWEB)
2025年、長く割安放置されていた中国テックADRが再評価された。引き金は外部・心理——1月のDeepSeek R1が『中国AIは安く速い』と示して米半導体を急落させる一方、コントラリアンの資金を中国テックへ向かわせ、2月の習近平×起業家会合(規制緩和期待)が火を点けた。KWEBは2025年だけで約+26%上昇し3月と10月に往って来いも経験。同じニュースが一方を売り他方を買う『連想の非対称性』と、関税ショックで巻き戻る脆さを学ぶ。
Constellation Energy 2024–2025:AIデータセンター電力需要と原子力ルネサンス
2024〜2025年、米最大の原子炉フリートを持つConstellation(CEG)は『AIブーム=半導体』の連想が裏方の電力インフラへ波及して再評価された。主因は外部の構造変化(AIデータセンターが電力需要を恒常的に押し上げる)と、それを収益化する企業固有材料(ハイパースケーラーとの超長期PPA)の両輪。9月のMicrosoftとのスリーマイル島再稼働契約で1日+22%急騰した一方、翌年のMeta契約は窓を開けても終値は伸びず『2匹目のドジョウは織り込み済み』の難しさも学べる。
Palantir 2025:米商業AIの熱狂で年+135%、しかし好決算でも売られる『過熱』の教材
2025年、Palantirは米商業AI(AIP)の爆発的成長を背景に年初来約+135%(QQQの約+21%を大きく上回る)。だが上昇の主役は途中から『内部ファンダ(決算)』から『市場心理・バリュエーション』へ移り、好決算でも株価が下げる場面が頻発。8月の空売り報告、11月のMichael Burryのプット開示とAI株売りで2年ぶりの最悪月を記録した。勝者でありながら『過熱』を学ぶシナリオ。
IonQ 2025:量子コンピューティング熱狂と$84ピーク後40%急落のセンチメント相場
2025年、IonQはGoogleの量子チップ『Willow』を引き金にした量子テーマ熱狂で、3月安値$17.88から10月の最高値$84.64へ。だが値動きの主因は売上(通期+202%)という実数ではなく、ピュアプレイ量子株への投機マネー(需給・心理)。著名人の一言(NVIDIA CEOの『15〜20年先』発言で-39%)や巨額増資(希薄化)でボラが乱高下し、ピーク後に約40%急落した。『テーマ株のバブルと反転』『当たっても天井で握ると痛い』を学ぶ教材。
Broadcom 2025 — カスタムAIチップ(XPU)とVMwareで連続最高益、そして“出尽くし”
2025年のBroadcomは、ハイパースケーラー向けカスタムAIアクセラレータ(XPU)・Ethernetネットワーク・VMware統合の三本柱で四半期ごとに最高益を更新し、株価は約2倍に。NVIDIAの汎用GPUに対する『カスタム陣営』の本命として再評価された。一方で、巨大バックログを示した好決算でも“出尽くし”で急落する場面(需給・心理)や、DeepSeek・関税といった外部ショックに半導体全体で巻き込まれる場面もあり、内部の強さと市場の気まぐれの両方を学べる。
金(GLD)2025 — 53回の最高値更新と史上初の$4,000、安全資産の構造相場
2025年、金は年間で53回も最高値を更新し10月8日に史上初の$4,000/ozを突破、GLDは年+60%超でS&P500(+18%)を圧倒した。主因は個別企業の決算ではなく、トランプの関税・FRB独立性への懸念・米政府閉鎖・財政赤字という外部マクロと、中央銀行・ETFの記録的買い(構造)。『株とは違うドライバー(信認・実質金利・分散需要)で動く資産』を学ぶ。
銀(SLV)2025–2026:45年ぶりの$50超えと現物スクイーズを需給×心理で読む
2025年、銀は5年連続の構造的供給不足という土台の上に、金高騰への追随とロンドン現物の枯渇(リース金利急騰)が重なり、10月9日にスポット銀が1980年以来初の$50超え。さらに2026年1月29日に$121超の史上最高値を付けた直後、CMEの証拠金引き上げが強制清算を誘発し、1日で約-30%の歴史的急落。需給×心理が主役で、金(GLD)とのペアで貴金属の動きを学べる。
ナスダック100 2025年11月:AIバブル警戒と『循環取引』論で調整
2025年夏まで上昇したAI主導相場が、11月にバリュエーション過熱・ハイパースケーラーのcapex/減価償却スケジュール・『循環取引(circular financing)』懸念で調整。QQQは10/29の高値から11/20までに約-7.9%、AI比率の低いSPY(約-4%)を上回って下げた。個別の業績悪化ではなく『AI投資という供給ブームを、持続的な需要と誤認しているのでは』という構造・心理リスクが主因。
Oracle 2025:RPO+359%とStargateで33年ぶり急騰、その後の巻き戻し
2025年9月、OracleはFQ1 2026決算で受注残(RPO)が前年比+359%の4,550億ドルに膨らみ、OpenAIのStargate向け超大型クラウド受注期待で単日+36%(1992年以来最大)急騰した。だが採算性・OpenAI集中・巨額capexと債務依存への懸念が並走し、ピークから数カ月で約半値へ巻き戻した。『受注残という実数』と『過熱・レバレッジ懸念』が同時に進む、勝ち負けが交錯する教材。
S&P500 2025 — 関税ショック『Liberation Day』史上最大級の急落とV字回復
2025年4月2日、トランプ政権が全貿易相手国への相互関税『Liberation Day』を発表。S&P500は4月3-4日に史上最大級の2日間下落で弱気相場の縁まで売られたが、4月9日の『90日関税停止』発表で2008年以来最大の1日上昇(+9.5%)とV字反発し、6月27日には最高値を更新した。主役は外部マクロ・地政学(政策ショック)で、ニュース1本で需給と心理が一変した。
半導体ETF 2025年1月 — DeepSeekショックでAI設備投資の前提が揺らいだ日
2025年1月27日、中国DeepSeekが低コストでフロンティア級AIを実現したとの報道で『AI設備投資(GPU需要)の前提』そのものに疑念が広がり、半導体・AI株が急落。個別企業の決算ではなく“テーゼ(投資ストーリー)への懐疑”が引き金で、心理・外部ショックの教科書的な事例。だが反発は限定的で、その後は関税懸念も重なり調整が続いた。
NVIDIA 2023–2024:AIブームを3軸で分解する
2023〜2024年、NVIDIAはAIデータセンター需要を背景に株価が約8倍へ。値動きの主因は『AIという物語』ではなく、四半期ごとに市場予想を大幅超過した実際の決算(内部要因)だった。外部の金利逆風・対中規制、節目での過熱(需給・心理)を重ねて読み解く。
IWM 2023–2024:10年金利ピーク→利下げ期待ラリーを3軸で分解する
2023年10月に米10年国債利回りが5%を超えてIWMは安値をつけた後、11月のCPI鈍化・FOMCハト派転換・12月のドットプロットによる2024年利下げ示唆が連鎖し、金利敏感な小型株ETFが約3ヶ月で+26%反発。値動きの主因はマクロ(金利期待)という外部要因だった。
イーライ・リリー 2023:肥満症薬ブームを3軸で分解する
2023年、イーライ・リリーは年間で約+61%(S&P500の約+27%を大幅に上回る)。値動きの主因は『肥満症薬という物語』ではなく、四半期決算でのMounjaro急成長、SURMOUNT/TRAILBLAZERといった臨床試験の好データ、そしてZepboundのFDA承認という“実績の積み上げ”だった。利上げ環境(外部の逆風)を、新製品サイクルという強いファンダ(内部要因)が上回った好例。
TLT 2023春〜秋:「higher for longer」で10年金利5%、長期債ETFが安値更新
政策金利が据え置かれた2023年4〜10月に、米国の財政悪化(赤字1.7兆ドル)・国債大量増発・FRBのタカ派ドットプロット・Fitch格下げが重なり、10年国債利回りが5%(16年ぶり高水準)まで上昇。利上げではなく『長期金利の自律的な上昇』がTLTを約-20%押し下げた教科書的なマクロシナリオ。
TAN 2022–2023:IRA補助金と高金利の綱引きでソーラー株はなぜ乱高下したか
2022年7〜8月のIRA(インフレ抑制法)成立で太陽光に巨額補助金が確定し急騰。しかしその後の高金利(higher for longer)が資本集約型ソーラーに重くのしかかり、2023年に入ると反落した。外部の政策決定(IRA・FOMC・CPI)が値動きの主軸だった。
地銀ETF(KRE)2023:取り付けと連鎖破綻を3軸で分解する
2023年春、急速な利上げ(外部)で保有債に巨額の含み損を抱えた米地銀が、SVBの増資発表をきっかけに預金の取り付け(需給)に遭い連鎖破綻。地銀ETF(KRE)は約3週間で3割超下落した。外部(利上げ)×需給(預金流出)×個別破綻が重なった、金融システム発の急落。
大手金融ETF(XLF)2023:SVBショックと連鎖破綻が金融セクター全体を揺るがした4ヶ月
2023年3月、SVB破綻を契機に金融規制の盲点が露呈。Signature破綻・Credit Suisse救済・First Republic破綻と連鎖し、XLFは期間中-11.8%下落。外部(規制・システミックリスク)が主役で、大手も地銀も一緒に売られた典型的な「制度ショック」。
GLD 2022–2023:Fed利上げサイクルと金の実質金利逆相関を学ぶ
ロシア侵攻の地政学プレミアムで急騰した金は、Fed利上げ・実質金利上昇・ドル高に押されて9月安値まで約21%下落。2022年末〜2023年初の「ピボット期待」とSVB銀行危機が反転の燃料となり、期間全体ではほぼ横ばいで着地した。金は実質金利と逆相関する外部要因主役の教材。
UNG 2022–2023:欧州ガス危機・Freeport火災・暖冬で-70%暴落
2022年夏にロシアのNord Stream停止で米天然ガスが14年ぶり高値へ急騰。しかしFreeport LNG火災が輸出需要を蒸発させ、記録的暖冬と在庫積み上がりが重なり、2023年2月には開始比-70%の歴史的暴落となった。外部要因(地政学・気象)が主役の乱高下教材。
FXI 2022–2023:習近平3期目ショックからゼロコロナ解除へ
党大会で習近平が3期目を確定させた2022年10月24日に-10%急落した後、ゼロコロナ政策の段階的廃止と経済再開期待で急反発。値動きの主役は中国の政治決定・規制政策転換という外部(地政学)要因だった。
Meta 2022:『敗者』の年を3軸で分解する
2022年のMetaは年間で約-64%下落した『敗者』の年。利上げでグロース株全体に逆風(外部)が吹くなか、利用者数の頭打ち・減収・Appleのプライバシー(ATT)による広告逆風・メタバース(Reality Labs)への巨額投資という内部要因が重なり、ベンチマーク(QQQ 約-33%)の倍近く下げた。
Netflix 2022:会員数ショックで『物語が壊れる』
2022年、Netflixは成長の前提だった『会員数の増加』が約10年ぶりに減少へ転じ、株価は単日−35%の暴落を含め年初来で約半値に。値動きの主因は金利やマクロではなく、成長ストーリーそのものを崩した内部KPI(会員数)だった。
FXY 2022:日米金利差で読む円急落と政府介入の攻防
2022年のFXYは-17%超の下落。FRBの急速利上げ(0→4.25%)に対し日銀がYCCで超低金利を維持し続けた日米金利差拡大が主役。9月・10月の2度にわたる政府介入も、構造的な円安トレンドを逆転させるには至らなかった。
XLE 2022:ロシア侵攻・OPEC+・インフレで読む エネルギー独歩高
2022年はS&P500が▲18%の中、XLEは+75%超。ロシアのウクライナ侵攻による供給不安、EU・G7の対ロシア制裁・禁輸、OPEC+の200万バレル減産決定が原油価格を押し上げ、40年ぶり高インフレと相まって市場全体が下げる中でエネルギーセクターだけが独歩高となった。
EWZ 2022:ブラジル大統領選×コモディティ高騰——地政学が新興国ETFを動かした
ロシア・ウクライナ侵攻による資源高でブラジル株は急騰し、10月の大統領選でルラ・ボルソナロの接戦が乱高下を生んだ。コモディティ輸出国という構造と地政学的選挙リスクが主役で、米FRBの利上げが逆風として重なった2022年の教材。
TLT 2021–2022:FRBの急速利上げが引き起こした債券の歴史的暴落
2021年後半から2022年にかけて、FRBが0%から4%近くへ政策金利を急激に引き上げたことで、長期米国債ETF TLTは約-35%という歴史的な下落を記録。デュレーションリスクが「金利が上がれば長期債は大きく下がる」という原則を教科書通りに示した。
EWG 2022年:ロシア依存のドイツ株がエネルギー危機と景気後退恐怖で-31%
2022年のドイツ株ETF(EWG)は、ロシアのウクライナ侵攻に端を発したエネルギー危機と景気後退懸念で-31%超。主因はロシア産ガス依存という構造的脆弱性という外部要因で、Nord Stream供給停止・ECB利上げ・OECD景気後退予測が波状攻撃的に株価を押し下げた。
XHB 2022:住宅ローン金利3%→7%超への急騰が引き起こした住宅株の崩壊
FRBが2022年に政策金利を0%から3.75–4.00%へ急騰させ、30年住宅ローン金利が3%台から7%超へ急上昇。住宅需要が急速に冷え込み、住宅ビルダーETFのXHBは期間中に約-29%下落、6月には年初来安値(50.26ドル)を記録した。金融政策が住宅セクターをどう直撃するかを示す教科書的事例。
EEM 2021–2022:ドル独歩高と利上げサイクルが新興国株を-37%に沈めた
FRBの急速な利上げサイクルがドル独歩高(DXY一時114)を招き、2021年6月から2022年10月の約17ヶ月でEEMは-37.1%下落。値動きの主役はドル高・米金利・インフレという外部マクロ要因で、ロシアのウクライナ侵攻・オミクロン株も複合的に新興国株を圧迫した。
USO 2022:ロシア・ウクライナ侵攻が原油価格を動かした半年
2022年2月のロシアのウクライナ侵攻と米国によるロシア産原油禁輸が供給不安を引き起こし、WTI原油は3月8日に一時130ドル超へ急騰。USOは+42%上昇したが、停戦交渉・SPR放出・景気後退懸念が反落の引き金となり、値動きの主因は一貫して地政学と国際政策という外部要因だった。
ARKK 2021–2022:テーマ株バブルの天井→崩壊を3軸で分解する
破壊的イノベーション・テーマの代表ETFが、2021年初の熱狂で天井(2/12終値$154)を打ち、金利上昇局面で約1年半にわたり崩落した『テーマ株バブルの天井→崩壊』。主因はETF内部の好材料ではなく、外部(金利・割引率の上昇)と、それを増幅したテクニカル・心理。利益が遠い将来に偏る長デュレーションのグロースが、割引率上昇で最も売られた典型例。
ITA 2022:ロシアのウクライナ侵攻が防衛ETFを逆行高させた構造
ロシアのウクライナ侵攻(2022/2/24)を境に、防衛セクターは広義の株式下落に逆らって急騰。ドイツの国防費大転換(Zeitenwende)やNATO諸国の防衛費増額表明が追い風となったが、FRBの急速な利上げが後半に上値を抑制した。
KWEB 2021:中国テック規制の連鎖が-46%をもたらした半年間
中国当局が2021年に断行したビッグテック独禁法・データ安全・教育・ゲーム規制の連続発動が、KWEBを半年で-46%に叩き落とした。値動きの主因は中国共産党の政策転換という外部の『構造的規制』であり、個々の企業業績は副次的だった。
XLE 2020:原油マイナス価格とエネルギー株の暴落・再生を3軸で分解する
2020年、OPEC+の協調減産決裂(サウジ×ロシアの価格戦争)と新型コロナによる石油需要の消失が重なり、原油は史上初のマイナス価格をつけた。エネルギー株ETFのXLEは2月高値から約-56%暴落し、その後ワクチン進展と経済再開期待で底から約2.2倍に反発。値動きの主因は終始『外部要因(地政学・商品市況・マクロ)』だった。
GameStop 2021:ショートスクイーズを需給と心理で読む
2021年1月、Reddit(WallStreetBets)発の個人投資家の集中買いと、浮動株を超える過大な空売りが踏み上げ(ショートスクイーズ)を生み、業績とほぼ無関係に株価が約16倍へ乱高下した。値動きの主因は需給(空売り残・強制買い戻し)と心理(ミーム/SNS)であり、ファンダメンタルズではない極端な事例。
Tesla 2020:株式分割とS&P500採用ラリーを3軸で分解する
2020年、TSLAの株価は調整後で約8倍に。コロナ後のグロース物色という地合いの中で、5対1の株式分割(内部・資本イベント)とS&P500採用(需給・パッシブ買い思惑)という『業績の外側』のイベントが重なり、群集心理が増幅した1年。決算(内部)よりも資本イベントと需給・心理が主役だった点が、同じ急騰でもNVDA 2023とは対照的。
S&P500 2020:コロナ・ショックとV字回復を3軸で分解する
2020年初、パンデミックの世界的拡大で米国株は史上最速で約-34%暴落し、サーキットブレーカーが4回も発動。だが前後にFRBが無制限の資産購入を表明し議会がCARES法を成立させると、市場は半年で最高値を回復した。値動きの主因は個別企業ではなく、外部(パンデミック)と政策(マクロ)という指数全体を揺らす力だった。
HYG 2020:コロナ危機とFRBの前例なきクレジット市場介入
2020年3月、新型コロナウイルスとサウジ・ロシア原油戦争が重なりハイイールド債市場は流動性危機に陥った。FRBは3/23に社債購入施設を創設、4/9にジャンク債ETFまで対象を拡大する前例なき介入を行い、HYGはボトムから反転した。値動きの主因は中央銀行のマクロ政策という外部要因であり、発行体企業の業績ではない。
Apple 2018–2019:中国減速とガイダンス下方修正を3軸で分解する
2018年秋〜2019年前半、Appleは中国減速と米中貿易摩擦を背景に急落した。決め手はiPhone台数開示の中止と、2007年以来初の売上見通し下方修正という『内部要因』。だが引き金を引いたのは中国経済の失速と関税という『外部要因』で、その後はサービス事業と大規模自社株買いで株価は回復した。
SPY 2018Q4:パウエルFRBの利上げ自動操縦とS&P500急落・反発
2018年9月〜2019年1月、S&P500は高値から約20%下落し、その後急反発した。利上げ継続・QT『自動操縦』発言・12月利上げで株価が崩れ、クリスマス安値を底にパウエルの『忍耐強く(patient)』発言で回復した。金融政策という外部要因が一貫して主役だった。
SPY 2011:米国債格下げと欧州危機 — 史上初のAAA喪失が株式市場を揺るがした5カ月
2011年8月5日、S&PがAAA格付けを史上初めてAA+へ格下げ。翌月曜の-6.5%急落を筆頭に8月は乱高下が続いた。欧州債務危機との連鎖と、格付けという制度的(構造的)要因が主役で、企業業績でなくマクロ・制度変化が株価を動かすことを示す典型例。