このシナリオの読み方:各イベントは上昇・下落の「引き金」を時系列で追っています。なぜその日に価格が動いたのか、どの外部要因が主役だったのかを考えながら、予測問題に挑戦してみてください。外部要因(地政学・マクロ政策)が値動きのほぼすべてを説明するという点が、このシナリオ最大の学びです。
ロシア、ウクライナへ全面侵攻開始 — WTI初の100ドル超
2022年2月24日、ロシアがウクライナへの全面軍事侵攻を開始した。WTI原油先物は即座に一時100ドル超(2014年以来初)まで急騰し、Brentも100ドルを突破した。ロシアは世界第2位の産油国(世界供給の約10%)であり、欧米が発動する制裁によって供給が途絶するリスクが価格に即座に織り込まれた。もっとも当日の終値はWTI $92.81と急落しており、『初動のオーバーシュートと押し戻し』のパターンが観察される。
出典: CNBC (2022-02-24) / EIA (2022-03-02)
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ザポリッジャ原発攻撃 — 侵攻拡大でUSO+6.6%急騰
ロシア軍がウクライナのザポリッジャ原子力発電所(欧州最大)を砲撃・占拠した。原子力施設への攻撃はエネルギー安全保障全般への不安を増幅させ、原油・ガス供給の停止シナリオが市場で改めて織り込まれた。USOは同日+6.6%($79.46)と急騰した。原油の直接的な生産施設でなくても、エネルギーインフラへの攻撃がリスクプレミアムを積み上げる好例。
出典: EIA (2023-01-10) / EIA (2023-03-31)
所属軸: 外部 (マクロ・環境) ・ カテゴリ 7
バイデン大統領、ロシア産原油の禁輸を発表 — WTI一時130ドル超
バイデン大統領が大統領令に署名し、ロシア産原油・LNG・石炭の輸入を禁止した。WTIはこの日の取引時間中に124ドル超(Platts Datedで137ドル超)に達し、インフレ調整後では2014年以来の最高値となった。USO当日終値は$85.43(+3.7%)。禁輸という政策決定は実際のバレル数より心理的シグナルとして機能し、供給途絶リスクへの市場の確信が強まって最後の急騰段階を引き起こした。
出典: White House (2022-03-08) / CNBC (2022-03-08)
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ロシア・ウクライナ停戦交渉報道 — USO▲11.7%の最大下落
ロシアとウクライナが停戦交渉を続けているとの報道を受け、原油は急速に地政学リスクプレミアムを剥落させた。WTIは一時100ドルを割り込み、USOは期間中最大の**▲11.7%**($75.47)と急落した。実際の停戦合意でなく、交渉継続という報道だけでこの規模の下落が起きた点が重要で、原油市場がいかにセンチメント主導かを示す。翌日には一部戻す動きも見られた($73.68 → $76.40 → $79.54と続く日々)。
出典: Al Jazeera (2022-03-14) / EIA (2023-03-31)
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バイデン政権、史上最大のSPR放出を発表 — USO▲4.9%
バイデン政権が**180万バレル/日×6か月(合計1.8億バレル)**という史上最大規模の戦略石油備蓄(SPR)放出を発表した。Brent原油当日約-5%急落、USO▲4.9%($74.12)。米財務省分析では放出がガソリン価格を13〜31セント/ガロン押し下げた。実際のバレル数より、政府が高騰する燃料価格の抑制に本腰を入れるという政策シグナルが市場心理を転換させた。
出典: CNBC (2022-03-31) / The Washington Post (2022-03-31) / U.S. Department of the Treasury
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OPEC+、7・8月の増産幅を拡大 — 高値圏への上昇一服
OPEC+が定例会合で7・8月の生産増加幅を従来の43.2万バレル/日から64.8万バレル/日に引き上げることを決定した。ただし多くの加盟国は既に生産割当を達成できておらず、実効的な増産は限定的だった。原油はその後も上昇し、6月8日にUSOは期間中の最高値**$91.99**を付けた。しかし同時期に進行したFRBの急利上げによる景気後退懸念が蓄積し、6月後半から本格的な反落が始まった。
出典: CNBC (2022-06-02)
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景気後退懸念でWTI▲8%超 — USO期間2番目の大幅下落
FRBの急速な利上げサイクルによる景気後退懸念が一気に強まり、WTIは▲8%超($99.50)と約3か月ぶりに100ドルを下回った。USOも▲8.4%($74.78)。ロシア・ウクライナ戦争は続いているが、需要サイドの悪化シナリオ(需要破壊)が地政学リスクプレミアムを上回り始めた。この転換点以降、原油は下降トレンドに入っていく。
出典: CNBC (2022-07-05) / The Washington Post (2022-07-05)
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IEAが需要成長の下方修正を発表 — USO▲6.9%
国際エネルギー機関(IEA)が7月月報で先進国の石油需要の伸びを下方修正した。高インフレと急利上げが需要を抑制しており、ロシアの供給は予想より堅調(インドや中国がロシア産を割安で購入)との指摘もあった。WTIは約96ドル台へ下落し、USO▲6.9%($72.81)。IEA・EIAなど公的機関の需要見通し変更は、市場の方向感に強い影響を与える外部情報として読む。
出典: IEA (2022-07-13) / Bloomberg (2022-07-11)
所属軸: 外部 (マクロ・環境) ・ カテゴリ 3