このシナリオでは、約1年半で株価が約6割下落したLULUの「敗者ケース」を、チャート上の4つの出来事に分解します。NVDAが『予想を上回り続けて8倍』になった一方、LULUは『予想を下回り続けて6割減』になりました。同じ決算ドリブンでも、方向が決まると一方向に振れます。マーカーは色が軸(外部=アンバー / 内部=エメラルド / テクニカル・需給・心理=バイオレット)、ラベルが出来事を表し、下の同じ日付の解説に対応します。
Q4 FY24決算 — 実績は予想超過も慎重ガイダンスで翌日-14%
2025年3月27日引け後、第4四半期(FY2024)決算を発表。売上は前年比+13%の36億ドル、通年も+10%の106億ドルとEPS・売上ともに予想を上回りました。しかし株価を動かしたのは見通しでした。CEOは「自社調査で消費者がインフレと景気懸念から支出を絞り、米国の来店客数(トラフィック)が業界横断で鈍っている」と述べ、FY25通期を慎重ガイダンス(売上$11.15-11.30B、EPS$14.95-15.15)に置きました。翌28日、株価は約-14%。成長株が「実績」より「見通しと期待の差」で動くこと、そしてこれがその後の連続下方修正の起点となったことを示します。
出典: CNBC (2025-03-27) / SEC EDGAR (2025-03-27)
所属軸: 内部 (企業・業界ファンダ) ・ カテゴリ 1
トランプ『相互関税』ショック(4/2発表)
4月2日、トランプ政権が国別の相互関税を発表。LULUの生産依存度が高いベトナムに当初46%という高率が提示され、アパレル・小売株が連鎖的に急落しました。LULUも4月3〜4日にかけて大きく下落。関税は企業がコントロールできない外部(マクロ/通商政策)要因で、生産が高関税国に集中するLULUの粗利を直撃する構造的コストです。すでに進行していた需要鈍化(内部)の上に外部マクロが重なった——3軸は「どれか1つ」ではなく重ね合わせで効くことを示すイベントです(ベトナム関税は後の交渉で7月に20%へ引き下げられました)。
出典: Axios (2025-07-02) / CNBC (2025-07-03)
所属軸: 外部 (マクロ・環境) ・ カテゴリ 3
Q1 FY25決算 — 関税で営業マージン見通し引き下げ、翌日-20%
6月5日引け後、第1四半期(FY2025)決算は売上+7%(24億ドル)と予想を上回りましたが、米州(Americas)のコンプが軟化。会社は関税を理由に通期の営業利益率見通しを「前年比-100bp」から「-160bp」へ引き下げ、通期EPSも減額しました。CFOは「営業利益率引き下げはすべて関税の純影響による」と明言。翌6日、株価は約-20%。EPSが予想を上回っても、関税という外部コストが利益見通しを直接削ると成長株は急落する——「good earnings ≠ good stock」の典型で、マルチプル収縮を伴いました。
出典: CNBC (2025-06-05) / SEC EDGAR (2025-06-05)
所属軸: 内部 (企業・業界ファンダ) ・ カテゴリ 1
Q2 FY25決算 — 北米同店-4%+通期大幅下方修正で翌日-19%
9月4日引け後、第2四半期(FY2025)決算で米州(Americas)の同店売上が-4%と需要鈍化が確定。会社は関税(de minimis=少額免税の撤廃を含む)で通期の粗利を約2.4億ドル押し下げると織り込み、通期ガイダンスを売上$10.85-11.00B・EPS$12.77-12.97へ大幅下方修正しました(3月の当初$14.95-15.15から大きく後退)。翌5日、株価は**約-19%**で、年初来下落は約6割に達しました。内部(米国需要の鈍化・製品サイクルの停滞)が主役、外部(関税)が増幅役という本シナリオの構図が最も明確に出たクライマックスです。
出典: CNBC (2025-09-04) / The Motley Fool (2025-09-06) / Seeking Alpha (2025-09-04)
所属軸: 内部 (企業・業界ファンダ) ・ カテゴリ 1