このシナリオでは、調整後で約8倍になった2020年のTSLAの値動きを、チャート上の6つの出来事に分解します。同じ『急騰』でも、業績の実数が主役だったNVDA 2023とは違い、ここでは株式分割(資本イベント)とS&P500採用(パッシブ需給)、そして群集心理が主役です。チャート上のマーカーは色が所属する軸(外部=アンバー / 内部=エメラルド / テクニカル・需給・心理=バイオレット)、ラベルが出来事の内容を表します。各マーカーは、下の同じ日付の解説と対応しています。
年初来の急騰とショートスクイーズ — 当日+14%
2020年は年初から株価が急騰し、2月初旬には年初来で株価が倍以上になりました。強気の目標株価引き上げが相次ぎ、空売り勢の買い戻し(ショートスクイーズ)も加わって、2月4日は約**+14%。上昇の燃料が業績ではなく「物語+需給・心理」だったため過熱しやすく、この直後にコロナショックで2月19日の高値から3月18日の底まで約-60%**急落しています。需給・心理主導の上昇は脆いことを示す起点です。
出典: The Motley Fool (2020-02-10)
所属軸: テクニカル・需給・心理 ・ カテゴリ 6
5対1の株式分割を発表 — 翌日+13%
コロナ暴落から夏にかけて株価は再加速。8月11日の引け後、Teslaは5対1の株式分割(8月31日から分割後ベースで取引開始)を発表しました。株式分割は理論上の企業価値を変えませんが(このチャートは調整後のため見かけの急落は出ません)、「買いやすくなる」期待と個人の群集心理を刺激し、翌12日は約**+13%**上昇。本来は中立な資本イベントが、人気銘柄では需給・心理を通じて値動きを生む典型例です。
出典: Tesla Investor Relations (2020-08-11) / TechCrunch (2020-08-11)
所属軸: 内部 (企業・業界ファンダ) ・ カテゴリ 1
株式分割を実施 — 当日も買われ過熱
8月31日、5対1分割後ベースでの取引が始まりました。発表からこの実施日まで、先回りの買いで株価は約**+81%急騰し、実施当日も約+13%買われました。価値中立のはずの分割で、ここまで需給と心理が増幅されること自体が学びです。ただし材料が出尽くす実施日を境に、翌営業日(9/1)は約-4.7%**反落しました。
出典: Tesla Investor Relations (2020-08-11)
所属軸: テクニカル・需給・心理 ・ カテゴリ 4
S&P500採用見送り+増資完了 — 当日-21%(当時の最悪日)
9月最初の取引日、S&P500の構成銘柄入れ替えでTeslaは採用見送りとなりました。上昇の一部が「採用への先回り買い」だったため、思惑が外れた反動は大きく、同社の50億ドルの増資完了(希薄化)とナスダックのハイテク全体の調整も重なって、9月8日は約**-21%——当時の1日下落として過去最悪を記録しました。需給イベントを織り込んだ株が、思惑が外れたときに見せる反動の大きさ**を示すイベントです。
出典: CNN Business (2020-09-08) / CNBC (2020-09-08)
所属軸: テクニカル・需給・心理 ・ カテゴリ 6
S&P500採用が決定 — 翌日+8%、以後パッシブ思惑で急騰
11月16日の引け後、S&P Dow Jones IndicesがS&P500採用(12月21日実施)を発表しました。2020年Q2に4四半期連続のGAAP黒字を達成し、採用の適格条件を満たしたことが背景です。過去最大級の組み入れに向けて、市場は指数連動ファンドの機械的な買い(パッシブ需要)を先回り。翌17日は約**+8%、実施前まで株価は約+70%**上昇しました。需給(インデックス採用)が主役の上昇です。
出典: S&P Dow Jones Indices (2020-11-16) / Fortune (2020-07-22)
所属軸: テクニカル・需給・心理 ・ カテゴリ 4
S&P500採用を実施 — 出尽くしで-6.5%
12月21日、TeslaはS&P500に正式採用されました(指数内で5番目に大きい1.69%の比率)。ところが肝心のパッシブ買いは実施日までにほぼ織り込み済みで、当日はむしろ利益確定の出尽くし売りとなり約**-6.5%**下落。需給イベントは「発表で買い、実施で売り」になりやすい典型で、e5(発表で急騰)との対比が、需給がいつ織り込まれるかを学ぶ肝になります。
出典: CNBC (2020-12-21) / CNN Business (2020-12-21)
所属軸: テクニカル・需給・心理 ・ カテゴリ 4