このシナリオでは、2022年に**株価が約半値(年初来で約−51%)になったNetflixの値動きを、チャート上の出来事に分解します。NASDAQ100(QQQ)が同年−33%と弱気相場だったとはいえ、Netflixの下落はそれを大きく超えました。主因はマクロ(外部)ではなく、成長の前提だった会員数というKPI(内部要因)**が崩れたことです。チャート上のマーカーは色が所属する軸(外部=アンバー / 内部=エメラルド / テクニカル・需給・心理=バイオレット)、ラベルが出来事の内容を表します。各マーカーは下の同じ日付の解説と対応しています。
Q4決算 — 会員純増見通しの弱さで翌日−22%
2022年1月20日引け後、第4四半期決算を発表。EPSは予想を上回りましたが、市場が嫌気したのは翌四半期(Q1)の会員純増見通しを250万人とした点でした。アナリスト予想(約700万人)を大きく下回る弱いガイダンスで、成長鈍化が現実味を帯び、翌21日は出来高を伴って**−21.8%**。成長株は『実数の利益』以上に『成長が続くか(見通し)』で評価される——その縮図となった起点です。
出典: CNBC (2022-01-20) / Variety (2022-01-20)
所属軸: 内部 (企業・業界ファンダ) ・ カテゴリ 1
Q1決算 — 約10年ぶりの会員『減少』で単日−35%
4月19日引け後の第1四半期決算で、会員数が約20万人の減少へ転じました。約10年ぶりの会員減で、自社見通し(250万人増)にも遠く及ばず、Netflixの株価を支えてきた『会員は増え続ける』という前提が崩壊。翌20日の株価は終値ベースで**−35.1%**、時価総額約540億ドルが一日で消失しました。**同日のQQQはほぼ横ばい(約−1.5%)で、これは地合いではなく完全に個別株固有(内部要因)**のショックです。本シナリオの核心であり、『成長ストーリーが壊れる』とは何かを示す事例です。
出典: CNBC (2022-04-20) / SEC EDGAR (2022-04-19)
所属軸: 内部 (企業・業界ファンダ) ・ カテゴリ 1
広告付きプラン検討 / パスワード共有対策へ方針転換
同じQ1の株主向けレターで、Netflixは長年否定してきた広告付きの低価格プランの検討と、パスワード共有の収益化(無料同居外への課金)を表明しました。会員数の頭打ちを受け、成長一辺倒から収益モデルの多様化へ舵を切った構造的な転換点です。短期の株価は暴落しましたが、後の広告プラン開始(2022年11月)や共有対策の布石となりました。事業モデルの転換は内部要因の中でも**『構造的』**な変化として読みます。
出典: CNN Business (2022-04-20)
所属軸: 外部 (マクロ・環境) ・ カテゴリ 8
Q2決算 — 会員減も『予想ほど悪くない』で反発
7月19日引け後の第2四半期決算で、会員は約97万人の減少。会員減自体は悪材料ですが、4月に自社が示した悲観見通し(−200万人)を大きく上回る結果で、悪材料が既に株価に織り込まれていました。Microsoftと組む広告付きプランの進展も支援材料となり、翌20日は約**+7%反発。『悪いニュース=必ず下落』ではない**——株価は数字の絶対値ではなく『期待との差』で動くことを示します。
出典: CNBC (2022-07-19) / SEC EDGAR (2022-07-19)
所属軸: テクニカル・需給・心理 ・ カテゴリ 6
Q3決算 — 会員が約240万人増へ反転、翌日+13%
10月18日引け後の第3四半期決算で、会員が約241万人の増加へ反転しました。予想(約100万人増)を大きく上回り、崩れていた成長ストーリーの修復が実数で確認されたことで、翌19日は約**+13%**上昇。あわせて会社は今後の会員数ガイダンス提供をやめると発表しました。e2(KPI崩壊で暴落)との対比が肝です——同じ会員数というKPIが、悪化なら暴落・反転なら急騰と、株価を正反対に動かします。
出典: CNBC (2022-10-18) / Variety (2022-10-18)
所属軸: 内部 (企業・業界ファンダ) ・ カテゴリ 1