このシナリオでは、約1年半でAMD株が約3.6倍(約140ドル→約520ドル)になった値動きを、チャート上の7つの出来事に分解します。主役は決算(実数)ではなく、OpenAIとの超大型受注という企業固有の好材料。実数が追いつく前に『将来の取り分への期待』が先に株価を押し上げた点が、NVDAのシナリオと対照的です。マーカーは色が所属する軸(外部=アンバー / 内部=エメラルド / テクニカル・需給・心理=バイオレット)、ラベルが出来事の内容を表し、下の同じ日付の解説と対応します。
関税90日停止で半導体全面高 — 当日+23.8%
2025年4月初旬、トランプ政権の『相互関税』を巡る不安でAMDは連日−6〜8%下落していました。9日、関税の90日停止が発表されると、S&P500は2008年以来の大幅高となり、AMDも当日**+23.8%反発。これはのちのOpenAI提携に匹敵する急騰ですが、AMD固有の材料ではなく外部マクロ(通商政策)**が主因です。「同じ大幅高でも、企業の中で起きたか外で起きたか」を切り分ける訓練になります。
出典: Bloomberg (2025-04-09) / Schaeffer's Investment Research (2025-04-14)
所属軸: 外部 (マクロ・環境) ・ カテゴリ 3
MI308 対中輸出規制で最大8億ドルの費用計上 — 当日−7.3%
4月16日、AMDは中国向けMI308の新たな輸出ライセンス要件により最大8億ドルの関連費用を見込むと開示しました。NVIDIAのH20と同様、対中輸出規制はAI半導体メーカー共通の逆風で、中国売上の不確実性から当日**−7.3%**。好材料が出る前の局面で、外部(地政学)のブレーキが効いた例です。なお規制はその後、条件付きで一部再開される動きもあり、反応は一律ではありません。
出典: Bloomberg (2025-04-16) / CNBC (2025-04-16)
所属軸: 外部 (マクロ・環境) ・ カテゴリ 7
Advancing AIでMI350/MI355X発表 — 製品ロードマップは出尽くし気味
6月12日のAdvancing AI 2025で、AMDは次世代のInstinct MI350/MI355Xを発表し、2026年のMI400/Heliosラックシステムもプレビューしました。製品ロードマップは「将来の成長ドライバー」を示す内部要因ですが、当日の株価反応は**−2.2%と限定的。期待先行の局面では新製品発表が材料出尽くしになりやすく、「新製品=即上昇」ではありません。本物の燃料になったのは、4か月後の受注**(OpenAI提携)でした。
出典: AMD Newsroom (2025-06-12) / Data Center Dynamics (2025-06-12)
所属軸: 内部 (企業・業界ファンダ) ・ カテゴリ 1
OpenAIと6GWメガ提携+最大1.6億株ワラント — 当日+24%
10月6日、AMDとOpenAIが6ギガワットのGPU供給で戦略提携し、AMDがOpenAIに最大1.6億株のワラント(新株予約権)を付与すると発表しました。第1弾のMI450 1GW展開は2026年下期開始。出来高は通常の5倍超(約2.5億株)に膨らみ、終値ベースで164.67→203.71ドルの約+24%(寄りは一時+35%)。これが「NVIDIA一強市場の第2の供給源」というストーリーに実需の裏付けを与え、AMDを待望の挑戦者として再評価させました。ただし出荷は先で、将来の取り分への期待が株価を先導した局面である点に注意します(受注と売上計上の時間差)。
出典: AMD IR (2025-10-06) / OpenAI (2025-10-06) / TechCrunch (2025-10-06)
所属軸: 内部 (企業・業界ファンダ) ・ カテゴリ 1
Q4 2025決算 — 記録的な四半期でも翌日−17%
2月3日引け後のQ4 2025決算は、売上103億ドル(前年比+34%)、データセンター54億ドルと記録的でした。それでも翌4日は**−17%急落。理由は①好業績の一部がMI308の中国向け一時的売上だったこと、②Q1ガイダンスが前四半期比でやや減速気味だったこと。決算は『中身の質』と『次の見通し』で評価される——期待が高い銘柄ほど、good newsでも崩れることを示す読みが外れるケース**です。
出典: Alpha Spread (2026-02-04) / The Motley Fool (2026-02-03)
所属軸: 内部 (企業・業界ファンダ) ・ カテゴリ 1
アナリスト格上げラッシュで目標株価倍増 — 当日+13.9%
4月24日、DA Davidsonなどが相次いでAMDを格上げし、目標株価を220→375ドルへ倍増。エージェント型AIによるCPU需要やMI450立ち上げ期待を理由に、当日**+13.9%。ただし目標株価の倍増は実数ではなく見方の変化(センチメント)**で、Q1決算を前に期待が膨らむ局面の格上げラッシュは過熱のサインにもなります。実際この直後は数日の小反落を挟みました。
出典: FX Leaders (2026-04-27) / Benzinga (2026-04-24)
所属軸: テクニカル・需給・心理 ・ カテゴリ 6
Q1 2026決算 — データセンター+57%で実数が期待に追いつき翌日+18.6%
5月5日引け後のQ1 2026決算は、売上103億ドル(前年比+38%)、データセンター58億ドル(前年比+57%)、Q2ガイダンス112億ドルと市場予想を大きく上回りました。翌6日に株価は**+18.6%上昇。提携(e4)から約7か月、ついに実数(売上)が期待に追いついた**瞬間です。e4(期待先行)→e7(実数で裏付け)の対比がこのシナリオの背骨で、e5(好決算でも下落)と合わせて「決算は予想と見通し次第」を体得できます。
出典: TradingKey (2026-05-05) / SEC EDGAR (2026-05-05)
所属軸: 内部 (企業・業界ファンダ) ・ カテゴリ 1