このシナリオは「中国株がなぜあれほど激しく動いたか」を外部要因の視点から学ぶ教材だ。2022年10月から2023年2月にかけてのFXI(iShares China Large-Cap ETF)の値動きは、企業の決算や金利ではなく、中国共産党の政治的決定という外部要因が主役だった。各イベントの解説を読みながら、政治→政策→株価という連鎖を追ってほしい。
習近平3期目確定・党大会閉幕で中国株-10%急落
10月22日閉幕の第20回党大会で習近平が総書記3期目を確定させた。前任の胡錦濤が大会中に会場から退席させられる映像が世界に拡散し、権力集中の度合いが市場の想定を上回った。外国人投資家はゼロコロナ継続と民間企業への規制強化の継続を織り込み、FXIは10月24日(月)に**-9.99%**と2009年以来の大幅下落を記録、13年ぶりの安値圏に沈んだ。外部(地政学)軸が内部要因を完全に上書きした典型日だ。
出典: Market Fellow (2022-10-24) / Interactive Investor (2022-10-24)
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ゼロコロナ解除の非公式スクリーンショット拡散で+7.6%急騰
11月1日ごろ、WeChatのアナリスト・ファンドマネジャーグループに発信元不明の匿名スクリーンショットが出回り、「王滬寧(政治局常務委員)が専門家を招集し2023年3月を目標に条件付き再開計画を策定する」と記されていた。外務省スポークスマンは「把握していない」と否定したが、市場は「最初の政策転換シグナル」と読んで猛反発。香港ハンセン指数はその週に11年ぶりの週間上昇率を記録し、FXIは11月4日に**+7.58%**急騰した。センチメント軸が増幅剤として機能し、底値圏での反発力を最大化させた。
出典: Bloomberg (2022-11-02) / Rappler (2022-11-04)
所属軸: 外部 (マクロ・環境) ・ カテゴリ 7
米CPI下振れ+中国20項目緩和策発表で二重の好材料
11月10日、米労働省発表の10月CPI(前年比+7.7%、予想+7.9%を下回る)でS&P500が+5.5%急騰しドル高が一服。同日の中国当局による20項目Covid対策緩和(隔離期間の短縮・健康コードの運用柔軟化等)発表が重なり、FXIは**+6.1%**上昇した。中国固有のニュースだけでなく米国のインフレ指標がドル安を通じて新興国ETFを押し上げるという、グローバルマクロ(外部・マクロ軸)と中国政策の複合効果だった。
出典: CNBC (2022-11-10) / Bloomberg (2022-11-11)
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Biden-Xi バリ島G20会談で米中緊張が小幅緩和
11月14日、バリ島G20でバイデン大統領と習近平が就任後初の対面会談(約3時間)を実施。「新冷戦は望まない」「気候変動協議を再開」などを確認し、台湾問題でも対話チャンネルを維持する姿勢を示した。中国株にとってペロシ訪台(8月)以降のエスカレーションリスクが後退し、FXIは11月15日に**+5.16%**上昇した。直接の金融・規制政策変更がなくても、外交接触だけで不確実性プレミアムが縮小する地政学軸の事例だ。
出典: CNN (2022-11-14) / Al Jazeera (2022-11-14)
所属軸: 外部 (マクロ・環境) ・ カテゴリ 7
白紙抗議デモ拡大で政策転換圧力が顕在化
11月24日の新疆ウルムチ・アパート火災(ゼロコロナのロックダウンが消火活動を妨げたとされた)を契機に、11月26〜27日、全国21省・39都市で「白紙(A4)革命」が勃発した。習近平への批判まで飛び出すほどの規模の抗議を受け、当局高官は「より精密な防疫対策」という表現でゼロコロナ見直しを示唆し始めた。市場は「政策転換が不可避」と判断し、FXIは11月29日に**+5.09%、翌30日に+4.88%**と2日続伸した。
出典: Wikipedia (2022-11-27) / NPR (2022-11-29)
所属軸: 外部 (マクロ・環境) ・ カテゴリ 7
ゼロコロナ正式廃止(10項目通知)・国内移動制限撤廃
12月7日、中国国家衛生健康委員会は10項目の新指針を発表し、無症状・軽症者の自宅隔離、PCR検査義務の大幅撤廃、都市封鎖の根拠となってきた「场所码」制度の廃止を通知した。これはゼロコロナ政策の事実上の廃止であり、感染症分類もクラスA(ペスト・コレラ相当)からクラスBへ格下げが決定した。FXIは翌12月8日に**+3.26%**上昇。噂→部分緩和→正式廃止という3段階の制度的転換の最終確認として、外国人の本格参入を促した。
出典: NBC News (2022-12-07) / The Diplomat (2023-01-01)
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国際渡航隔離の廃止発表(2023年1月8日施行)で+4.75%
12月26日、中国政府は入国時のホテル強制隔離(国際渡航者向け)を2023年1月8日から完全廃止し、COVID-19をクラスAからクラスBに再分類すると発表した。「入境者はホテル隔離不要、自宅健康観察のみ」という事実上の国境再開宣言により、FXIは12月27日に**+4.75%**急騰。アリババが+4.9%、JD.comが+4.2%、マカオのカジノ銘柄が一時+5%超と関連銘柄も全面高となった。
出典: Fortune (2022-12-27) / Yahoo Finance / Bloomberg (2022-12-27)
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新年入り・外国人資金本格流入で+6.4%急騰
1月8日の国境正式開放を前に、外国人投資家による中国株への資金流入が加速。FXIは1月4日に**+6.38%急騰し、1月26日には高値30.92ドルをつけた(10月安値19.06ドル比+62%**)。ゴールドマン・サックスは「再開から回復へ」を旗印に年末の中国株目標を+24%と予想した。一方、ゼロコロナ廃止直後の感染急拡大が経済活動を一時制約し、FXIは1月末から2月末にかけて高値比約-15%下落した——「期待の買い→現実の失望売り」という新興国でよく見られるパターンで着地した。
出典: Seeking Alpha (2023-01-05) / CNBC (2023-02-20)
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