このシナリオでは、2025年に年初来約+135%(ベンチマークのQQQは約+21%)と急騰したPalantirの値動きを、チャート上の7つの出来事に分解します。注目すべきは、上昇の“主役”が前半の内部ファンダ(決算)から、後半の心理・バリュエーションへと移っていく過程です。チャート上のマーカーは色が所属する軸(外部=アンバー / 内部=エメラルド / テクニカル・需給・心理=バイオレット)、ラベルが出来事の内容を表し、下の同じ日付の解説と対応します。好決算でも株価が下げるという、勝ち銘柄ならではの過熱リスクに注目してください。
Q4 FY2024決算ブローアウト — 翌日株価+24%
2月3日引け後のQ4 FY2024決算は、売上+36%、**米商業部門が前年比+64%と加速し、2025年通期ガイダンスも市場予想を上回りました。翌2月4日、株価は出来高を伴って約+24%急騰。この時点では、AIP(米商業AI)の成長が「実数」として現れ、ガイダンス上方修正がサプライズになるという、教科書通りの内部要因(決算)**主導の上昇でした。期待は既に高かったものの、“予想を上回る上振れ”が伴っていたため株価は素直に反応しています。
出典: SEC EDGAR (2025-02-03) / CNBC (2025-02-03)
所属軸: 内部 (企業・業界ファンダ) ・ カテゴリ 1
Q1 FY2025は絶好調でも翌日−12% — 割高への警戒
5月5日引け後のQ1決算は、売上**+39%・米売上+55%・Rule of 40=83%と文句なしで、通期ガイダンスも上方修正。それでも翌5月6日は約−12%下落しました。これが本シナリオの転換点です。予想PER80倍超という極端な期待を“さらに”上回る上振れが足りず、典型的なbuy the rumor, sell the news**に。株価は『業績そのもの』ではなく『業績と期待の差』で動く——ここから主役が内部ファンダから心理・バリュエーションへ移り始めます。
出典: Palantir IR (2025-05-05) / CNBC (2025-05-06)
所属軸: 内部 (企業・業界ファンダ) ・ カテゴリ 1
Q2 FY2025 — 四半期売上が初の10億ドル超、翌日+8%
8月4日引け後のQ2決算は、四半期売上が初めて10億ドルを超え(10.04億ドル、+48%)、米商業は+93%、Rule of 40=94%へ。翌8月5日は約+8%上昇し、強い決算が素直に買われました。内部ファンダの加速は紛れもなく本物です。しかし重要なのはこの直後——好材料の“後”に過熱の巻き戻しが待っていました(次のe4)。決算が良いことと、その後に握り続けられることは別、という視点で読み進めてください。
出典: SEC EDGAR (2025-08-04) / Investing.com (2025-08-04)
所属軸: 内部 (企業・業界ファンダ) ・ カテゴリ 1
空売り筋の標的に — 6営業日で約−17%(Citron/OpenAIバブル論)
8月中旬、Citron Research(Andrew Left)が「OpenAIの$500B評価を当てはめればPLTRは$40が妥当(それでも甘い)」と割高を指摘。OpenAI CEOの“バブル”発言も重なり、PLTRは6営業日で約−17%、時価総額にして約730億ドルを失いました。決算とは無関係に、心理・需給だけで大きく下げた典型例です。注意すべき因果の順序は——極端なバリュエーション(実体)が先にあり、空売り筋の一言や同業比較は下落の“きっかけ・触媒”として作用した、ということ。割高だから即下落ではありませんが、割高は失望への耐性を奪います。
出典: Fortune (2025-08-21) / Benzinga (2025-08-19)
所属軸: テクニカル・需給・心理 ・ カテゴリ 6
Q3好決算+Burryのプット開示 — 最高値圏で翌日−8%
11月3日引け後のQ3決算は、米商業**+121%**・**Rule of 40=114%と過去最高水準。ところが同日、「ビッグ・ショート」で知られるMichael BurryのScionがNVIDIAとPalantirにプット(9月末時点、想定元本約9億ドル)を開示したと報じられ、AIバブル懸念のシンボルに。株価は史上最高値圏(約207ドル)にあり、翌11月4日は約−8%**下落しました。過去最高の決算でも、最高値圏=期待が極限まで織り込まれた状態では good news が出尽くしのトリガーになります。Burryのプットは下落の唯一の原因ではなく、センチメント転換の触媒。CEOカープがこれを“市場操作”と公に反論する異例の展開も、過熱の象徴でした。
出典: Fortune (2025-11-04) / CNBC (2025-11-03)
所属軸: テクニカル・需給・心理 ・ カテゴリ 6
AI株売りで11月は−16% — 2年ぶりの最悪月
11月はAI高バリュエーション銘柄の調整が続き、PLTRは月間約**−16%で2023年8月以来の最悪月となりました。ここで切り分けるべきは、これが市場全体の下落ではない点です。同じ11月、ベンチマークのQQQ(ナスダック100)はほぼ横ばい(約−1.6%)でした。ベンチマークが落ちていないのにPLTRだけ−16%——この相対の差こそ、原因が業績ではなく心理・需給(過熱したバリュエーションの巻き戻し)**にあった証拠です。好業績は続いていた点と、はっきり分けて読みます。
出典: CNBC (2025-11-28)
所属軸: テクニカル・需給・心理 ・ カテゴリ 6
Q4 FY2025は圧巻でも数日で急反落 — 『良い会社≠良い株価』
2月2日引け後のQ4 FY2025決算は、売上**+70%・米商業+137%・通年44.8億ドル(+56%)、2026年も+61%成長ガイドと圧巻で、PLTRが2025年に年+135%の勝者だったことを裏付けました。翌2月3日は約+7%**上昇しましたが、高バリュエーションへの警戒は消えず、**2月3日→5日で約−18%**の急反落。業績が文句なしでも、好決算後の上昇は続くとは限らないのです。『良い会社』であることと『今の株価で買って報われるか』は別問題——高期待株では、決算翌日の上昇をトレンド転換と即断しないことが、このシナリオ全体を貫く学びです。
出典: SEC EDGAR (2026-02-02) / CNBC (2026-02-02)
所属軸: テクニカル・需給・心理 ・ カテゴリ 6