このシナリオでは、約1年半で株価が約8倍になったNVDAの値動きを、チャート上の8つの出来事に分解します。チャート上のマーカーは色が所属する軸(外部=アンバー / 内部=エメラルド / テクニカル・需給・心理=バイオレット)、ラベルが出来事の内容(決算・規制・分割など)を表します。各マーカーは、下の同じ日付の解説と対応しています。
決算ガイダンスショック — 翌日株価+24%
2023年5月24日引け後、第1四半期(FY2024)決算を発表。売上は71.9億ドルでしたが、衝撃は第2四半期の売上見通しを110億ドルとした点でした。市場予想(約72億ドル)を5割超上回るガイダンスで、AIデータセンター需要の本物さを市場に印象づけました。翌25日、株価は出来高を伴って**+24%**(当時の過去最高値)。時価総額は一時約9,550億ドルへ。典型的な「内部要因(決算サプライズ)」による再評価で、本シナリオの起点です。
出典: NVIDIA IR (2023-05-24) / CNBC (2023-05-25)
所属軸: 内部 (企業・業界ファンダ) ・ カテゴリ 1
時価総額1兆ドルに一時到達
決算ショックの勢いで、5月30日に米国の半導体メーカーとして初めて時価総額1兆ドルへ一時到達しました(終値ベースでは約9,900億ドルに押し戻し)。ファンダの裏付けはあるものの、「1兆ドル」という大台はメディアと個人投資家の注目を集める心理・需給のイベント。節目での到達と小幅な反落は、過熱を測るテクニカル/センチメント軸として読みます。
出典: CNBC (2023-05-30)
所属軸: テクニカル・需給・心理 ・ カテゴリ 6
Q2決算と250億ドルの自社株買い — 好決算でも上値重く
8月23日引け後、第2四半期(FY2024)決算は売上135.1億ドルと再び予想を大幅超過し、250億ドルの自社株買いも承認。ところが翌24日は寄り付きで急騰したあと伸び悩み、好材料が出尽くした後に上値が重くなる「buy the rumor, sell the news」的な需給を示しました。決算=必ず上昇ではないこと、期待の織り込み度(株価が既にどれだけ好材料を織り込んでいるか)が効くことを学べます。
出典: SEC EDGAR (2023-08-23)
所属軸: 内部 (企業・業界ファンダ) ・ カテゴリ 1
米国が対中AI半導体の輸出規制を強化(H800/A800)
10月17日、米商務省がAI向け先端半導体の対中輸出規制を強化し、中国向けに設計したH800・A800も規制対象になりました。好調な内部要因の最中に差し込まれた外部(地政学)のブレーキで、中国売上の不確実性から株価は一時調整。3軸は「どれか1つ」ではなく重ね合わせで効くことを示すイベントです。
出典: CNBC (2023-10-17) / CSET (Georgetown)
所属軸: 外部 (マクロ・環境) ・ カテゴリ 7
Q4決算ブローアウト — 翌日+16%
2月21日引け後の第4四半期(FY2024)決算は、売上221億ドル(前年比+265%)、EPS 4.93ドルと圧巻でした。翌22日に株価は約**+16%**上昇し、当時の1日あたり時価総額増加の記録を更新。AI需要が一過性でなく加速していることを実数で示し、内部要因による上昇トレンドを再加速させました。
出典: SEC EDGAR (2024-02-21) / CNBC (2024-02-21)
所属軸: 内部 (企業・業界ファンダ) ・ カテゴリ 1
GTC 2024でBlackwell(B200/GB200)を発表
3月18日のGTCで、次世代GPUアーキテクチャBlackwell(B200、GB200スーパーチップ)を発表。Hopper比で大幅な性能向上を打ち出し、次の製品サイクルへの期待を上乗せしました。決算という「実績」に対し、新製品は**「将来の成長ドライバー」を補強する内部要因**として働きます。
出典: NVIDIA Newsroom (2024-03-18) / CNBC (2024-03-18)
所属軸: 内部 (企業・業界ファンダ) ・ カテゴリ 1
Q1決算+10:1株式分割+増配150%
5月22日引け後、第1四半期(FY2025)決算は売上260億ドル(前年比+262%)と引き続き予想超過。あわせて6月7日効力の10:1株式分割と、四半期配当の150%増配(0.04→0.10ドル)を発表しました。株式分割は理論上の企業価値を変えませんが、個人の買いやすさや需給改善の思惑から好感されやすい資本政策です(このチャートは調整後のため、分割による見かけの急落は表示されません)。
出典: SEC EDGAR (2024-05-22)
所属軸: 内部 (企業・業界ファンダ) ・ カテゴリ 1
時価総額で世界一に — 直後に短期調整
6月18日、株価上昇で時価総額が約3.34兆ドルに達し、マイクロソフトを抜いて世界一になりました。「世界一」報道は心理の極み(強欲)を象徴し、ここを高値に直後は利益確定の短期調整が入りました。大台・首位といった節目の直後の反落は、過熱を測るテクニカル/センチメント軸の典型パターンです。
出典: CNBC (2024-06-18)
所属軸: テクニカル・需給・心理 ・ カテゴリ 6